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 第73回高知産科婦人科学会学術集会(2023.12.09) 一般演題 抄録



反復帝王切開症例の、開腹時の子宮下部前回帝王切開創の治癒状況と、
初回の帝王切開時の子宮下部縫合法         

高知ファミリークリニック

◯福永寿則 山田るりこ

【目的】帝王切開後に子宮創部に2mm以上の陥凹を認め、月経終了後の茶色出血、月経困難症、慢性の骨盤痛、不妊症等をきたす帝王切開瘢痕症候群が注目されている。今回、当院の反復帝王切開症例で、開腹時の子宮下部前回帝王切開創の治癒状況を、初回帝王切開時の子宮下部縫合法別に調査した。

【対象と方法】2010年12月1日から2023年8月31日の期間に一回目の反復帝王切開を行った107例につき、カルテから、子宮下部筋層の菲薄化、膀胱の挙上、腹腔内癒着の有無について調査した。

【結果】(1)子宮下部切開・縫合法は、A群40例 ギャンビー1層縫合(ロックして連続)、B群4例 子宮内膜連続縫合・子宮筋層1層連続縫合、C群12例~E群 子宮内膜連続縫合・子宮筋層1層単結紮縫合。膀胱子宮窩腹膜はA~C群は膀胱剥離あり、D群19例 腹膜のみ剥離、E群15例 腹膜も剥離せず。全例腹膜の修復縫合あり。(2)反復帝王切開時所見は、「菲薄化あり」A群10例25.0%、B群0例、CDE群合計2例4.3%、「膀胱挙上あり」C群の1例のみ、「癒着あり」A群3例、B群0例、CDE群合計3例。膀胱挙上の1例は軽度の挙上で反復帝王切開時に子宮壁切開の邪魔にはならなかった。癒着6例は上腹部等での軽度の癒着で、いずれも子宮下部周辺には異常を認めなかった。

【考察・結論】「子宮内膜連続縫合・子宮筋層1層単結紮縫合・腹膜縫合」は子宮下部筋層の菲薄化を減少させる。

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