第73回高知産科婦人科学会学術集会(2023.12.09) 一般演題 抄録
当院における月経困難症患者に対する内分泌療法の検討
高知ファミリークリニック
◯山田るりこ 泉谷知明 髙田和香 橋元粧子 福永寿則
【緒言】女性の各々のライフステージにおいて月経困難症はQOLの低下に影響するため、積極的な治療が必要とされる。また、月経困難症は子宮内膜症との関連が強く、長期的な観察及び内分泌管理が女性のヘルスケアにとって重要である。
【方法】2022年9月1日から2023年8月31日までに、当院で月経困難症に対して低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤(OC/LEP)、プロゲスチン製剤(DNG)、レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)を処方した患者を対象とし、治療継続率について診療録から後方視的に検討した。
【結果】対象は158例で、年齢は10~19歳23例、20~29歳113例、30~39歳15例、40~49歳7例であった。治療内容はOC/LEP継続投与39例、OC/LEP周期投与83例、DNG33例、LNG-IUS3例であった。当院での治療継続率はOC/LEP継続投与92.3%、OC/LEP周期投与80.7%、DNG90.9%、LNG-IUS100%であった。当院での治療中断の理由は転居・転職による転院、挙児希望、経済的理由、副作用であった。
【考察】月経困難症患者に対して長期にヘルスケアを行うことが重要であるため、年代や患者背景に寄り添った薬剤の選択、管理に工夫が必要である。