演題:当院における妊産婦メンタルヘルスケアの取り組み
所属機関:高知ファミリークリニック
演者:◯山田るりこ 福永寿則
【目的】近年、産婦人科の協力医療機関及び市町村の行政機関では、妊娠期からの子育て支援事業を行っている。当院でも子育て支援事業のひとつとして、必要時に妊産婦を地域の保健師や精神科へ繋げるサポートを行っている。今回、当院でサポートを必要とした妊産婦の頻度を確認することを目的とした。
【方法】2018年8月から2019年9月に当院で妊娠分娩管理を行った477例を対象とした。初診時問診表、育児支援チェックリスト、エジンバラ産後うつ病自己調査票(EPDS)、赤ちゃんへの気持ち質問表を用いたスクリーニングを行い、必要時に地域の保健師や精神科へ繋げるサポートを行い、後方視的に検討した。
【結果】当院で妊娠分娩管理した477例中、EPDS9点以上を陽性群、9点未満を陰性群とした。EPDS陽性群は、妊娠中期で25/426例(5.8%)、産後2週間で17/322例(5.2%)、産後1ヶ月で14/351例(4.0%)であった。赤ちゃんへの気持ち質問表3点以上は産後2週間で29/322例(9.0%)、産後1ヶ月で28/351例(8.0%)であった。地域の保健師や精神科へ繋げるサポートを必要とした妊産婦は29/477例(6.1%)であった。
【考察】一次機関である当院においても、取り組みにより一定数の妊産婦にサポートを提供することができた。今後も取り組みを継続し妊娠期からの子育て支援事業に繋げることが求められる。
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