産科
ソフロロジー式分娩法について
当院では、妊娠中からの母性の形成、家族の絆の形成、達成感のある幸せな分娩を願って、ソフロロジー式分娩法を導入しています。
「…分娩法」と言われるものがいくつかあります。これまでの歴史を見ると、環境や周囲の協力が良くて、しかし医学の力のないところでの出産「自然分娩」では、人は250分娩に一人は生命の危険があるようです。なるべく自然の経過に任せて、しかし分娩進行に異常が生じれば、医学の力でその異常を改善させて元気な赤ちゃんの誕生を迎えるのが、現在の日本で望まれる出産だと思われます。そして、なるべく異常な分娩経過にならないように、妊娠前~妊娠中に妊婦さんが自分の身体・精神を準備してお産を迎えるのが「自律分娩」です。そして、この準備の内容に各種の分娩法で色々な違いがあると思われます。
分娩・陣痛の考え方です。大きな川があるとします。その向こう岸に渡るのが分娩と考えた場合、その川の強い水の流れが陣痛とイメージしてください。
「無痛分娩法」は、その水に溺れないように、押し流さないように、医療者が妊婦さんを船に乗せて運ぶようなものです。「フリースタイル分娩法」は、病院からの決め事ではなく、それまでの人生で得てきた自分の経験・能力で、その時々の水の流れ・強さに自分の身体を反応させ、何とか向こう岸まで辿り着こうとするものだと思います。基本的には無痛分娩法もフリースタイル分娩法も、どちらも陣痛を非常に強い「痛み」ととらえ、自分に苦痛を与える辛いもの、という受け止め方だと思われます。
一方、「ソフロロジー式分娩法」は、分娩・陣痛の真実に対する理解が加わります。陣痛(の痛み)を拒否せず、陣痛を赤ちゃんが生まれるための大事な力と考えます。そしてお母さん以上におなかの赤ちゃんが陣痛のストレスに耐えていることに思いをはせます。自分自身よりも赤ちゃんが苦しくないように意識し、水の浮力を利用し、そして大きな川の流れに逆らうことなく、逆にそれを利用して、向こう岸まで泳ぎ渡ります。そのために妊娠中にイメージトレーニングを繰り返し、出産時には自信を持って赤ちゃんと一緒に大きな川に飛び込みます。
当院ではソフロロジー協会認定施設としてスタッフ一同皆さんのことを応援してまいります。
どうか安心してお産にのぞんで下さい。さあもう直ぐ可愛い赤ちゃんに会えますよ。
母親教室について
院長によるソフロロジー式分娩の説明から始まり、実際のソフロロジー式分娩のビデオを見たり、リラックス法の練習等を行います。可能であればご主人にも参加いただき、新しい家族を迎える準備を行いましょう。入院室や分娩室の見学も行います。
主に妊娠20週(6ヶ月)以降の方を対象としてた内容となっており、当院で妊婦検診を受けていない方や、妊娠されていない方でも参加可能ですので、お気軽にご来院ください。